腹診とはお腹の触診、イライラ肋骨 胸脇苦満とは

腹診とはお腹の触診、イライラ肋骨 胸脇苦満とは
横山奨

著者:横山(YI’N YANG総院長)

目次

お腹の状態でわかること

 鍼灸治療で身体の状態を診るひとつの方法として、腹診があります。腹診は簡単に言うとお腹の触診です。お腹を触診することで様々な心身の状態がわかるため、YI’N YANGの鍼灸治療・美容鍼灸では必ず腹診をします。お腹の状態からわかることは実はこんなにいっぱい。

  • 胃腸の調子
  • 精神的なストレス
  • 卵巣子宮などの婦人科系の状態
  • 生まれ持った体質
  • 性格や性質などのキャラクター
  • 調子が悪くなりやすい傾向とその対策
  • かかりやすい病

 鍼灸治療ではこのお腹の状態から身体全体の様子や胃腸の調子を把握して、全体のバランスを整える治療を行います。

腹診からみえる身体の状態 イライラ肋骨

イライラ肋骨 胸脇苦満(きょうきょうくまん)

  イライラ肋骨は東洋医学で胸脇苦満(きょうきょうくまん)といいます。上腹部の肋骨の下を中心にして硬さがあり、肋骨の下に滑らせるように手をあて軽く押さえると気持ちが悪かったり痛みがあったりつかえたりする状態をいいます。ストレスみぞおち(心下痞硬)と合わさって出る場合が多く、この場合は上腹部全体が硬くなります。

 イライラ肋骨から考えられるのは三つのタイプ

  • イライラするようなストレスがあり、ささいなことでイライラしやすい
  • イライラで身体が緊張し横隔膜の動きが悪く呼吸が浅い
  • 胃の働きが悪い 胃が荒れている可能性がある

「学生のための漢方医学より」引用抜粋

 ストレスみぞおちとイライラ肋骨の決定的な違いは、イライラか不安かというところと胃の働きです。ストレスみぞおちは不安感が強く、その症状の中心は胃の症状になります。イライラ肋骨の中心は内臓からくる異常というよりかは精神面からの影響が大きく、その中心はイライラです。イライラすると身体全体が緊張しますが、その中心は身体を支えている腹部になり、イライラすると身体の熱量が上に上昇しやすくなるため、お腹では横隔膜で隔てられた肋骨周辺の上腹部で熱量が停滞しやすく、それがイライラ肋骨として肋骨周辺の硬さが現れます。

 イライラ肋骨はイライラするようなストレスや身体が緊張したことによる横隔膜の異常な収縮などが原因ですが、上腹部の肋骨の下を中心の硬さを緩めてあげると横隔膜の異常な収縮がなくなり身体全体の緊張が緩和されリラックスした状態になります。身体がリラックスすると精神的なイライラが緩和されることにもつながります。

鍼灸治療が最適な理由

  1. 鍼灸治療は自律神経機能の調整に効果的で内臓の働きは自律神経が統括している
  2. 硬さやつかえにはストレッチは有効だがお腹はストレッチしにくい
  3. 硬さにはマッサージは有効だがお腹はマッサージしにくい
  4. 鍼灸治療は身体がおやすみモードになるので良く眠れて内臓の疲労も回復しやすい
  5. 冷えて硬くなっている場合もあるのでお灸が有効

特にYI’N YANGの鍼灸治療が最適な理由

  1. YI’N YANGの鍼灸治療は痛みがなく心地よい刺激で一般的な鍼灸治療より内臓の動きが活発化しやすい
  2. YI’N YANGの鍼灸治療は必ず腹診を行うため他のどの鍼灸院よりもお腹の状態がよくわかる
  3. YI’N YANGの鍼灸治療は痛みがないので治療に伴った痛みで身体が緊張することがない
  4. YI’N YANGの鍼灸治療ではやけどをしない温かいお灸を効果的に使用するため冷えなどで硬くなったイライラ肋骨に有効です

 イライラ肋骨にならないような生活習慣がとても重要ですが、イライラしストレスが強い場合や呼吸が浅い自覚があるときには鍼灸治療で改善する可能性が高いので鍼灸治療を定期的に上手に生活に取り入れてもらえると、よりよい状態で生活することができます。イライラ肋骨の場合、始めは1週間に1度の鍼灸治療をおすすめします。ストレス軽減のために、始めは施術間隔が短い方がコストパフォーマンスが高くなります。状態が良くなってきたら徐々に間隔をあけていき、メンテナンスしていきます。

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