東洋医学からみる不妊治療

東洋医学からみる不妊治療

湯淺葉月 著者:葉月(YI’N YANG GINZA)

日曜担当、葉月です。

今回は鍼灸治療の中でも専門院が存在するほど縁の深い『不妊症』について。

目次

不妊は現代の悩みではない

出産高齢化などが進むにつれ目立ってきたような印象がありますが、実は1700年ほど前の中国の古典医学書の『脈経』に既に登場しています。他にも古くは不孕、絶孕、絶子ともいい、中医学として研究も行われていました。

『脈経』が編纂された晋という時代は三国志の舞台となる戦国時代の後の国となります。

三国を統一し皇帝となった司馬炎は美人の妃や女官を計1万人集めた後宮を作り、史書に残るだけで26人の皇子と12人の皇女をもうけたそうです。まだまだ遊牧民も健在でいつ乱世となるかわからない時代。自分の血を残し広めることが重要だったのですね。さて記録に残らない子も考慮したとしても1万人に対して30数名の子孫は少ないと思いませんか?それだけ妊娠は当たり前のことではないということですね。

しかも戦乱の後の短命の国とはいえ都の王族の暮らしの中です。栄養不足やストレスだけの問題ではなさそうです。

不妊鍼灸を受ける人の中で現代の不妊治療を受けたことのない方は1割にも満たない

つまり何かしらの治療は受けつつ、それでも一押し届かず…という方が多いということです。西洋医学と東洋医学ではそもそもからだを診るルールが異なります。様々な努力の結果、違う角度からアプローチするのはとても有効です。では鍼灸師の目線から見て不妊とはどんなものなのか、古代の先輩たちの成果を簡単に整理してみましょう。

どの方法でもゴールは『巡らせること』

ホルモンのバランス、血行、むくみ、冷え。どれも不妊の原因になるものですがそれらが生じる理由や阻害するからだの機能が現代の視点とは異なります。昔の人が臓器以外にも「おそらくこのような機能をもつ気管や物質があるだろう」としたのが経絡や気・血・水と言われるものです。それぞれが多すぎたり、足りなかったり、体内で滞っていたりすることでバランスの異常がおこったり冷えたり血行がうまくいかなくなるのです。

それらの流れをよくするのが鍼灸のアプローチとなります。大まかに中医学では4つの状態に分類し、『巡っていない』原因を見つけていきます。

腎虚(じんきょ)

元々虚弱体質の方、出産が多い方、性行為の回数が多すぎる方などに多い型です。無月経、無排卵、黄体機能不全、子宮頸管や卵管の粘液不足による受精卵着床不備がみられます。そもそも子をなすためのエネルギーが足りないか消耗する機会が多いと考え、からだの元気を養い休むことを優先とします。

肝欝(かんうつ)

血の不足や運動、ストレスの多い方にみられがち。特に子宮に必要な血を巡らせる働きが落ちているので、無排卵・卵巣機能不全がみられます。交感神経優位な生活であることも多いでしょう。気分やからだの滞りを流し、子宮に血を至らせる治療と生活を心がけます。

痰湿(たんしつ)

肥満、暴飲暴食傾向、運動不足、消化器が弱っている方に多い方。体内に余計な水分や物質がおおく、それらによって子宮頸管や卵巣の粘液不足により受精卵着床が妨げられている可能性があります。BMIの調整や食事制限や運動も併用しつつ、代謝をあげる治療を行います。

血瘀(けつお)

様々な要因で血自体がドロドロ、硬い、など巡りづらい状態になっている方。冷えもや痛みを抱えている方も多いでしょう。慢性骨盤炎や子宮内膜症などがみられる方も。からだを外部の力だけではなく本人の力でも温めることができるような状態を目指し巡りをよくしていきます。

とにかく巡らせる

鍼灸では何か特別な薬を注射したり、エネルギーを注入したりは行いません。メスで取り去ったりもしません。あくまでごからだの中の巡りを邪魔しているもをご自身のチカラでどかす手伝いをするだけです。1回でからだを作り替えることは難しいですが、少しずつお掃除して環境を整えていくイメージです。

昔も今も食べるに困らない生活では過剰な飲食、発散や代謝の機会の減少、人間関係による悩み…余計なものが溢れ必要な物が足りない場合が多いです。

命を迎える揺りかごとして心身を整えるのに鍼灸治療で体内をお掃除してみるのも、ご一考ください。

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