急に起こる頭痛、朝起きた時にすでにある頭痛、目の奥が痛い頭痛、後頭部や首肩のコリが強くなるとでる頭痛、月経に伴ってでる頭痛など頭痛には様々な頭痛があり、その原因も様々です。
このどうにもならない頭痛を日本人では4人に1人は感じているといわれています。これらの頭痛のなかで鍼灸が効果的な頭痛は、片頭痛(偏頭痛)と緊張型頭痛です。
コクランレポートでの頭痛への鍼灸治療の評価
コクランという世界中の医療に関わる論文を評価し、その情報を整理して発信している国際的な非営利団体があります。コクランレポートは質の高い医療情報として、世界中の医療従事者がその情報を用いて医療にあたっています。
そのコクランレポートの中で頭痛に対する鍼灸治療の評価をまとめると、
- 片頭痛(偏頭痛)の予防に鍼灸治療は有用である
- 頭痛薬などの治療薬を用いることが出来ない患者に鍼灸治療は有用である
- 薬物療法以外で頭痛の治療を希望する患者に鍼灸治療は有用である
- 妊娠または妊娠の可能性がある患者の頭痛に対して鍼灸治療は有用である
- 明らかな精神的ストレス下にある頭痛患者の薬物療法との併用に鍼灸治療は有用である
- 今まさに頭痛がある時の治療に鍼灸治療は有用である
- 薬物治療よりも鍼灸治療の方が効果的な場合があり長い目で見ると費用対効果が高い
このように評価されており頭痛の治療への鍼灸治療の有用性が世界的にも、医療の中でも認められています。
頭痛の原因 片頭痛・偏頭痛・緊張型頭痛
1)片頭痛・偏頭痛
日本での片頭痛患者は8.4%とされ、男性3.6%、女性12.9%で女性に多い疾患です。片頭痛(偏頭痛)の原因として脳の過敏性が考えられていて、頭部の血管が拍動する動きに合わせたズキンズキンとした痛みや目の奥が痛いなど耐え難い痛みを感じることが知られています。
近年最も有力だと考えられている原因は、脳の硬膜に分布する血管に炎症が発生して、関係する三叉神経が刺激されて頭痛につながっているというものです。鍼灸治療が片頭痛(偏頭痛)に効果的な理由として、三叉神経の興奮をおさえる働きがあると考えられ、後頭部や首肩の筋緊張の緩和とともに片頭痛(偏頭痛)予防も期待できます。
2)緊張型頭痛
日本での緊張型頭痛患者は22.4%で、男性18.1%、女性26.4%で女性に多く慢性的な疾患です。緊張型頭痛の原因として、筋肉の過剰な緊張が挙げられ、主には首肩や頭部の筋緊張からくる症状とされています。
精神的な緊張やストレスもその原因のひとつと考えられており、生活習慣や生活環境からの影響が強い事でも知られています。
鍼灸治療が緊張型頭痛に効果的な理由として、皮膚や筋肉にあるレセプターと呼ばれる器官が鍼灸治療により刺激されると、間接的に皮膚や筋肉の血流改善につながり、緊張型頭痛の大きな原因とされる首肩や頭部の筋緊張が緩和されます。また定期的な鍼灸治療により、片頭痛(偏頭痛)と同様に頭痛の予防にもつながります。
頭痛が続く場合の治し方
慢性的に続く頭痛の場合、まずは温める事をおすすめします。この温めるのにもちょっとしたコツがあります。
熱やほてりというのは上昇する性質があるため、頭痛のつらさの中心である首肩や頭部などを温めすぎると逆に痛む場合があります。それは身体全体のアンバランスが関係していることがほとんどです。温めるポイントは、
- おへそより下の下腹部を温める
- 腰の下の方の仙骨部分を温める
- 足首、足裏、足先を温まる
これらの部位を三つ全て温める、もしくは一つでも良いので温めていただけると全身の巡りが良くなるので、首肩や頭部の緊張も少なくなりのぼせるリスクも軽減できます。さらに上半身と下半身の熱量のバランスも整うので東洋医学的にはとても良い身体の状態になります。
温める事が出来ない場合は、
- 足の裏をボールなどで優しくマッサージ or 青竹踏み
なども効果的です。簡単にできる頭痛が続く場合の治し方をぜひ試してみてください。
YI’N YANGの鍼灸治療
YI’N YANGの鍼灸治療は、治療による心地良さを重視しています。
近年の研究で、心地よさを伝える神経(LTM-C)は優しく穏やかな鍼灸の皮膚刺激によって最も良く働くことが考えられるようになりました。
優しい穏やかな鍼灸によって心地よさを伝える神経が良く働き、オキシトシンやドーパミンと呼ばれるホルモンが放出される可能性があります。このドーパミンは身体機能、運動、学習、感情、意欲、ホルモンの調節など多くの生命活動に関与しており、オキシトシンは幸福感を高めたりストレスの軽減に関与しています。
心地よい鍼灸治療は、これらの神経やホルモンが関与して身体の症状を減らしたり取り除いたりします。鍼灸治療の元来もつ痛みの治療効果と、心地よい鍼灸治療による治療効果で鍼灸治療の良さを最大限に引き出します。