著者:徳田 葉菜美
こんにちは!徳田です。
今回は「腰痛」について。腰痛になる原因はさまざまですが、原因のひとつとしてよく言われるものに「姿勢の悪さ」があります。
デスクワークも立ち仕事も、長時間になると良い姿勢を維持するのは大変ですよね。姿勢が悪いと腰にもよくなさそう、というのは直感的にも分かると思いますし、今はメディアや書籍などあちこちで言われているので意識的に気をつけている方も多いと思います。
中には「姿勢にも気を付けているし、ストレッチやヨガもしているのに、なかなか腰痛が改善しない」という方もいるのではないでしょうか。
今回は、そんな根深い腰痛の悩みが少しでも軽くなるコツをお伝えします。
余談ですが、頭は何キロあるかご存知ですか?
体重の約10%と言われていて、体重50キロの方だと頭の重さは約5キロにもなるんです。そしてこれは、理想的な姿勢の状態での話。
ここから少しずつ顔が前にでる(下に下がる)と、角度に応じて5キロ×2倍、3倍、4倍、5倍…の負担が首〜全身にかかると言われています。
(最大約30キロ、子供を肩車しているようなもんです。腰も一緒に庇おうと頑張るので疲れちゃいますね…)
今この記事を読んでくださっているあなたの首も、ぬぬっと前に出ていませんか?ちょこっと顔を上げて顎をひいて、のんびりお茶でも飲みながら読んで頂ければ幸いです。
記事を書いている私も、油断すると子供を肩車してしまいます。気を付けます。
腰痛の種類と原因
腰痛は主に
- 原因が特定できる腰痛
- 原因が特定できない腰痛
に分けられます。
原因が特定できる腰痛は全体の10〜15%程度と言われています。代表的な病気としては腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症など。これらはいずれも背骨の神経(脊髄神経根)が圧迫されることで痛みが起こり、中には足のしびれを伴う場合もあります。
また、悪性腫瘍(がん)・消化器系・泌尿器系・婦人科系・循環器系の病気など内臓の病気も腰痛の原因となる場合があります。
これらは医療機関で適切な診察を受け見極める必要があります。
そして、原因が特定できない腰痛は約80〜85%。レントゲンなどで画像検査をしても原因が特定できず、痛み止めの湿布や薬を出されて終わってしまったり…。
痛み止めで一時的に痛みがおさまったとしても、原因が分からないままでは繰り返してしまいます。
次第に薬だけでは痛みが治まらなくなったり、慢性腰痛に移行して「腰は常に重だるい…」などの状態に陥りやすいです。
「姿勢が悪いのが良くない」そんなことはわかっている…
腰痛の原因は冒頭でも「姿勢の悪さ」が影響すると述べましたが、「姿勢が悪いことがよくないこと」なんて分かり切っているし、耳たこなんよ….という方も多いと思います。
Googleでも”腰痛 姿勢”、”腰痛 猫背”、そこからさらに派生して”猫背 改善”、”腰痛 筋トレ”といった検索結果がたくさん出てきますし、「腰痛改善には〇〇」などの書籍も多く出ています。今は患者さん自身も腰痛の治し方について情報収集でき、詳しい方も多いなという印象です。
でもその前に、「なぜそんなに姿勢が悪くなるのか?」を考えてみましょう。
身体の緊張が強いと、姿勢が悪くなる
姿勢が悪くなる原因は「身体の緊張が強すぎること」です。
私たちが産まれたとき、赤ちゃんの頃は姿勢の悪さや腰痛なんて気にしたことがなかったですよね。姿勢のわるい赤ちゃん…見たことないですよね。
やがて成長し幼稚園、小学校、中学校、高校、社会人….と新しい環境に進み集団生活を送りますが、その中での責任やプレッシャーなどから「心身の緊張」が生まれます。
頑張って日々を過ごす中で、私たちは無意識のうちに力を入れて緊張状態をつくりだしています。
嫌なことがあったりストレスを感じても、赤ちゃんと違って大人は自分で涙を拭うしかないですもんね…
まずは、緊張状態をリセットすることが大切
日常生活でのストレス要因からくるカラダの緊張はもちろんのこと、「姿勢を正さないと!」「猫背を治さなくちゃ!」と意識しすぎて身体の緊張をまねいてしまうこともあります。
良い姿勢を保とうと無理した結果、疲れてまた元の悪い姿勢に戻るか、余計に姿勢が崩れるという悪循環に陥ります。
現代で働く私たちの身体はガチガチになるようなシーンが多すぎるので、まずは全身をリセットする意味でも脱力できる状態をつくること!ここが最も重要だと考えています。
カラダの緊張状態を解除することで、良い姿勢を保とうとするときに起こりがちな、余計な”力み”も減っていきます。
からだの緊張をほぐすセルフケアの「ツボ」
鍼灸治療を受けると身体の緊張が自然と緩み、リラックスモードが作られます。痛みがあるときも鍼灸をすることで脳内に鎮痛物質となるホルモンが働き和らぎます。
また、日頃から手足のツボを刺激することで全身のめぐりがよくなるので、押したり・お灸でのセルフケアもオススメです。
・合谷(ごうこく)
親指と人差し指の間の付け根、人差し指寄りの場所
・曲池(きょくち)
ひじを曲げた時にできるシワの外側端
・足三里(あしさんり)
ひざのお皿から指4本分下、すねのすぐ外側
ツボの位置はインヤンYoutubeでもご紹介しています^^
筋トレや体操も、鍼灸と併用することで更に効果的◎
腰痛の治し方としてよく紹介される筋トレや体操。これらにトライするのはとても良いことです!
ただ、身体が過緊張の状態で筋トレや体操をしても思ったように効果が出ず、「こんなに頑張っているのに…」と心が折れてしまいがち。
まずは身体がリラックスできる環境を作ることから始めてみませんか?
力を抜く方法がわからない・苦手かもしれない、という方は鍼灸に頼ってみるのも一つの手段です。
また、上で紹介したツボを押したり、お灸でセルフケアするのもおすすめです。
しなやかな身体になれば腰痛体操や筋トレの効果も出やすいですし、ポジティブな気持ちになっていくはずです。
インヤンに来てくださる患者さんも「ストレッチや軽い体操をはじめました」「鍼灸で腰が楽になってきて動こうという気持ちになってきました」と言ってくださったりします。
不調を感じず快適な生活を送れるよう、私たちもサポートいたします。