【うつ病】うつ病に対する鍼灸治療の有効性
鍼灸治療が有効な疾患や症状についてご紹介していきます。
Cochran、NIH、WHOの各機構が発表している鍼灸の適応疾患や適応症状について取り上げます。
「Cochran(コクラン)」
疾病や症状の治療と予防に関する医療情報を定期的に吟味し、人々に伝えるために、世界展開している組織で、医学論文の評価を行なう国際的な非営利団体。質の高い医学情報を提供していおり、世界中の医療従事者、臨床家、患者、介護者、研究者、政策立案者などが医療行為を選択する根拠として活用している。いわゆる医療情報の評価のおまとめサイト。
「NIH(アメリカ国立衛生研究所)」
アメリカの国立衛生研究所。世界有数の医学・生物学の研究機関。27の専門分野にわかれた研究所・センターからなる健康福祉省(DHHS)所管の医学・医療・公衆衛生に関する統合研究組織。アメリカの医学の中枢機関。
「WHO(世界保健機構)」
国際連合の専門機関(国際連合機関)の一つであり、人間の健康を基本的人権の一つとし、その達成を目的として設立された機関。すべての人々の健康を増進し保護するため全ての国々と協力する目的で設立され、現在は鍼灸や漢方薬などの伝統医学を医療資源として評価し、世界中で活用すべく整備している。世界の医療情報を集約し管理する機関。
うつ病に対する鍼灸治療の評価
コクランのまとめでは、通常のうつ病の治療や治療していない人と比較して、鍼灸治療をした人はうつの重度を中等度軽減する可能性があるとしています。今後、詳細な研究が必要と結んではいますが、2022年現在までに行われた研究を集約し評価するとうつ病に対しての鍼灸治療は有効だといえます。
【うつ病に対する鍼治療】コクランレポート
https://www.cochrane.org/ja/CD004046/DEPRESSN_utubing-nidui-suruzhen-zhi-liao
また、うつ病に対して鍼灸治療が有効であることを発展的に考えると、鍼灸治療が精神的な落ち込みや精神の安定にも有効であるといえるでしょう。うつ病はセロトニンやドパミンと呼ばれる脳内の物質が関与していると考えられています。セロトニンは心を落ち着かせ、ドパミンは心身の活動性を高めて楽しみを感じさせるとされ、鍼灸治療を行うことによりそれらが分泌されます。つまり鍼灸治療により、心が落ち着き、活動性を高め楽しく生活できる方向に身体が向く可能性があるという事です。近年では、身体の慢性炎症が脳内の炎症を引き起こすことでうつ病を発症することも想定されていますが、鍼灸治療は元々、炎症を抑える抗炎症作用も有しており、その方向からも有効な可能性があります。
【うつ病に対する鍼灸治療の論文】
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/69/2/69_102/_pdf/-char/ja
この論文はうつ病に対して病院で行われている標準的な治療と鍼灸治療を並行して行うと、2ヶ月後にはうつ症状に一定の改善がみられ、効果が持続するとしています。まだ論文の数は少ないですがこのように鍼灸治療がうつ病に有効であるとする論文が増えてきています。
うつ病や気分の落ち込みなどの場合のベーシックな治療頻度としては、1週間に1度の鍼灸治療を2ヶ月~3ヵ月ほど続けると症状が軽減されることが多いのが、YI’N YANGでの鍼灸治療の傾向です。
まずはお身体の状態を確認させていただき、どんな鍼灸治療の方法がフィットするかを治療経過をみながら施術者とご相談いただき、少しでも不具合なく生活できるようにみなさまを全力でサポートいたします。