厚生労働省の調査では「国民の有する自覚症状の上位5症状」で肩こりは女性で第1位、男性では腰痛に次いで第2位です。年代別では男女とも40代にピークがありますが、最近の調査では、働き盛りの世代だけでなく、大学生や中高生、さらには小学生も肩こりを感じていることが分かっています。このように、肩こりは日本の老若男女が悩む国民的愁訴なのです。
さて、多くの人が経験する肩こりですが、肩こりを一言で説明することはできるでしょうか?
「肩まわりが張った感じ、重苦しい感じ、何とも言えない違和感・・・」
肩こりと聞けばどんなものかなんとなく分かりますが、それを言葉で表現するのは難しいですよね。
実は、肩こりに医学上の確定した定義はありません。
さらに、よく肩を触って「こってますね」と言いますが、肩の筋の硬さと肩こりの関係性も明らかになっていないのです。決して、「肩が硬い=肩こりがある」、「肩が柔らかい=肩こりがない」ではないのです。
このように、実は肩こりはよくわかっていない症状なんです。
そのため、「たかが肩こりでしょ?」となめてはいけません。
肩こりが内臓や心の異常を知らせるサインであることもあります。さらには、肩こりを放置しておくと他の慢性疼痛(長い期間続く痛み)の引き金にもなる、という研究発表が海外から報告されています。
肩こりも早めの対処が必要、ということですね。
肩こりへの鍼灸治療の効果についてはこちらのコラムをお読みください!