厚生労働省の発表では、日本国民の約50%、労働者では約60%がストレス・不安・悩みを抱えています。こうした心理的な問題は、筋肉や関節の痛みと関連しているといわれています。
日常生活の中でも、発表会や面接前など緊張する場面になると、無意識的になんとなく体に力が入っている感じがしますよね?
肩こりとストレスの確かな関係性
ストレス・不安状態が長期間続くと、脳が体の痛みを感じやすくなってしまうのです。
これは「身体化」といわれ、最近注目されている新しい概念です。
身体化とは、身体上の問題だけでは説明がつかない機能異常のことを指します。
心理的な肩こりもこの身体化の範疇に入ると考えられています。
実際に、肩こりとストレスとの関連を調査した研究では、肩こりはストレスと確かな関係性があることが証明されています。
さらに、ストレスによって生じる代表的な疾患であるうつ病の患者さんは、健康な成人よりも2.5倍も肩こりを有する率が高いともいわれています。
「身体化による肩こり」の特徴とは
では、「身体化による肩こり」の特徴は何でしょうか?
身体化は脳の機能異常(ちょっとした不具合)でもありますので、様々な全身症状が出現します。
これらの全身症状を伴っている場合、身体化による肩こりの可能性が考えられます。
鍼灸治療では、肩こりとストレスとの関連が疑われた場合、症状のある筋への治療に加え全身状態を改善できるような治療も行います。こうした鍼灸治療により肩こりだけでなく気分や他の身体の不調も改善し、全身の調子が良くなった!と喜ばれる患者さんがたくさんいらっしゃいます。