今回は少し視点を変えて、海外での肩こりと比較することで日本人の肩こりの特徴を解説したいと思います。
外国人に肩こりはあるの?
さて、皆さんは外国人にも肩こりはあると思いますか?
・・・正解は、「同様の症状はある、しかし英語訳は“shoulder“ではなく“neck“」です。
つまり、日本人が感じる肩こりと同様の症状を訴えますが、英語訳では「neck pain(頸部痛)」となります。
日本では「肩」と表現するのに対し、海外では「頚」と考えているのです。
日本と海外の肩こりを比べた文献によると、有訴率(症状を有する率)、性差(どちらも女性に多い)、年齢分布(40歳代前後に多い)はどちらも同じですが、ストレスとの関連は日本人の方が強いと感じています。
なぜ日本では『肩こり』なの?
ではなぜ、日本では「肩」でストレスとの関連が強いのでしょうか?
それには、「心身一如」という東洋医学の思想が関与しています。
この心身一如とは心の異常は身体に、身体の異常は心に現れる、という考えです。
特に日本人は情動(感情)を身体で表す習慣があります。
これを「からだ言葉」といい、感情を表現する際に用いられます。
例えば、「肩を落とす」、「肩身が狭い」、「肩にかかる」など肩を用いたからだ言葉が最も多いといわれています。
つまり、日本人にとっての「肩」は自身の「心」と関係の深い部位として捉えられており、文化的な背景も含んでいるのです。
諸説ありますが、これが日本と海外の肩こりの違いのひとつです。
疲れがたまってストレスを感じ、なんだか肩がこる…そんな方はぜひ一度鍼治療をご活用ください。
東洋医学である鍼は心と身体の両面にアプローチができる治療です。
私たちは、鍼を使って患者様の「肩の荷を下ろす」お手伝いをします。