今回は、頸椎の問題により肩こりを生じる「頚椎症(けいついしょう)」についてお話します。
目次
頚椎症とは
頚椎症とは、加齢により頸椎や椎間板、靭帯などが変性し、それが頸部の神経を刺激して様々な症状を引き起こす疾患です。
頸部からは頸周囲や腕に行くたくさんの神経が出てきます。これらの神経が頸椎の何らかの原因により障害されると、様々な症状を引き起こすのです。
頚椎症の2つのタイプ
頚椎症は、大きく2つに分類することができます。
- 脊髄症(せいせきずいしょう):脊髄が障害されるタイプ
- 神経根症(しんけいこんしょう)脊髄神経の根本が障害されるタイプ
この2種類はそれぞれ症状が異なります。
①脊髄症型
- 両側の腕や脚のしびれ、脱力感
- 細かい作業ができない(箸やボタンかけ)
- 歩行時に足がもつれる
- 排尿や排便に異常がでる
脊髄型は身体の情報を脳まで伝えるルートなので障害されると様々な症状を引き起こします。
②神経根型
- 片側の腕の痛み、しびれ
- 筋力低下、感覚鈍麻
頸椎からは腕に行く神経が出るので、腕の痛みやしびれを起こすのが特徴です。
そして、どちらも初期症状として頸の痛みや肩こりが現れることも多いのです。
特に脊髄型は、手術をしなくてはならない場合があり、見逃してはいけない疾患です。
神経根型の頚椎症に対しては鍼灸治療の効果が期待できます。その効果は、局所注射よりも優れていたとの報告もあります。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/57/4/57_4_491/_pdf/-char/ja
頸の痛みや肩こりに加え、腕のしびれにもお悩みの方は是非一度鍼灸治療をお試しください。