妊娠中のお腹の張りの症状、病院の治療と鍼灸治療

妊娠中のお腹の張りの症状、病院の治療と鍼灸治療
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妊娠中にお腹の張るという状態と症状

 妊娠中にお腹が張るのは、子宮の筋肉が引き締まって硬くなり、お腹が膨張した状態のことをいいます。子宮は筋肉で覆われており、その筋肉自体も何層にも重なり赤ちゃん守っています。妊娠中はその子宮の筋肉であるのでどんどん伸びていき妊婦の大きなお腹が出来上がっていきます。

妊娠中のお腹の張りの原因

 子宮の周りの筋肉は、自分の意識では動かすことができません。その筋肉の動きをコントロールしているのは自律神経であり、ホルモンの影響を大きく受けています。自律神経の副交感神経が興奮し、心身がリラックスしたお休みモードの時には子宮の周りの筋肉も緩んでいます。自律神経の交感神経が興奮し、心身が活動モードの時には子宮の周りの筋肉も引き締まって力が入り、お腹が張っているように感じやすいです。冷えたり、疲れたりしても筋肉が引き締まるため、お腹の張りを感じることもある様です。

 切迫早産などにつながる病的なお腹の張りもあるため注意は必要です。これらの症状であれば病院を受診しましょう。

  1. 妊娠中を通して
    1. お腹が大きくパンパンに張る
    2. 吐き気を伴うお腹の張り
    3. お腹がカチカチに硬くなり強い腹痛がある
    4. 出血を伴うお腹の張り
  2. 妊娠初期
    1. 安静にしているのに強いお腹の張りがおさまらない
    2. 強い下腹部の痛みがある
    3. 張りが強く出血もみられる
    4. 短い期間で強い張りが繰り返される
    5. だんだんと強く張っている間と間の間隔が短くなってくる
  3. 妊娠中期~後期
    1. 安静にしているのに強いお腹の張りがおさまらない
    2. 張りと痛みが徐々に強くなり持続する
    3. 短い期間で強い張りが繰り返され、次第にその間隔も短くなってくる
    4. おりものに出血が混じり、その量が増えてくる
    5. 出血がある

病院における妊娠中のお腹の張りに対する治療

 病院では、安静にしてしばらく休むというのが基本で、特にお腹の張りについての治療はありません。病的なお腹の張りでなければ特に出来ることがないからです。妊婦さんは服薬できる薬も限られているのもあります。病院では病気に対しての治療方法は豊富にありますが、それに比べると症状に対しての治療方法は極端に少なくなります。

妊娠中のお腹の張りに対する鍼灸治療

 鍼灸治療の研究のなかで、妊産婦に対する鍼灸治療は有効で、かつ安全性が極めて高いとされています。逆子の鍼灸治療については海外でも注目されていて、副作用が少なく安全性の高い妊婦への治療方法として海外での研究の方が進んでいます。特に温かい火傷のしないお灸は妊産婦には有効で、近年では助産院での安産のお灸や、病院内の鍼灸でも火を使わないお灸などが少しずつ増えており、病院の医師からも鍼灸に行ってくださいという案内が増えています。

妊娠中のお腹の張りのセルフケア

 妊娠中のお腹の張りで鍼灸治療に来院される多くの方は下半身の冷えがあります。冷えに対する考え方は3つ。

1.保温 

 読んで字のごとくですが、重ね着や常時靴下をはくなどがこれにあたります。ただし保温は熱を外に逃がさない工夫であり、外からの冷えを防ぐ工夫です。これは体熱がある事が前提になっています。つまり、いくら保温したところで元々冷えている場合にはそれ以上の放熱は防げるが温まる事はあまりありません。保温はとても大事ですが身体に熱量がある事が前提になります。

2.加温

 熱を外から加えることです。お風呂に入る、お灸をする、なにかで温めるなどがこれにあたります。加温して保温すればある程度の熱を保つことができますし、定期的に加えていくと底上げはされていく事が多いため有効です。しかし、自分の身体から熱量が生まれているわけではないので、定期的に加え続ける必要があります。

3.産熱

 自分の身体から熱を生みだすことですが、これは主として運動で、その補助として胃の状態が挙げられます。ラジオ体操などの簡単な運動をして、自分の身体の中から熱を生みだすことが最も効率的です。また胃が健やかであれば、産熱しやすいです。食べ物はカロリーと表記されますが日本語に訳すと熱量とされます。胃などの消化器系が十分に機能していれば熱量は生み出しやすいといえます。

YI’N YANGの鍼灸治療

 YI’N YANGの鍼灸治療は、治療による心地良さを重視しています。近年の研究で、心地よさを伝える神経(LTM-C)は優しく穏やかな鍼灸の皮膚刺激によって最も良く働くことが考えられるようになりました。優しい穏やかな鍼灸によって心地よさを伝える神経が良く働き、オキシトシンやドーパミンと呼ばれるホルモンが放出される可能性があります。このドーパミンは身体機能、運動、学習、感情、意欲、ホルモンの調節など多くの生命活動に関与しており、オキシトシンは幸福感を高めたりストレスの軽減に関与しています。心地よい鍼灸治療は、これらの神経やホルモンが関与して身体の症状を減らしたり取り除いたりします。鍼灸治療の元来もつ痛みの治療効果と、心地よい鍼灸治療による治療効果で鍼灸治療の良さを最大限に引き出します。

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