乳腺炎とは?
乳腺炎は母乳を分泌する乳腺で炎症を起こしてしまう疾患です。
授乳中に約2〜10%が発症すると言われています。
乳腺炎の種類と特徴
乳腺炎には、急性と慢性のものがあります。
急性乳性炎は原因によって「うっ滞性乳腺炎」と「化膿性乳腺炎」に分けられ 急性期に治り切らず慢性化していく事があります。
急性うっ滞性乳腺炎
出産後1週間前後で多くみられ、母乳が乳腺内に溜まることで発症します。乳房の腫れ、痛み、部分的な熱感を訴えることもあります。初産婦に多くみられる乳腺炎です。
急性化膿性乳腺炎
出産後2週間以後に多くみられ、乳管から細菌に感染することで乳腺が炎症を引き起こし発症します。
乳房の痛み、しこり、腫れ、赤み、熱感、全身の震えや寒気、倦怠感、高熱などを訴えます。
それぞれの乳腺炎は全く関係ないわけではなく、下記の図のように関連性があります。母乳がうっ滞してしまうことで「うっ滞性乳腺炎」を発症し、そこから細菌感染をおこすことで「化膿性乳腺炎」に発展し、さらに治り切らずに慢性化すると「慢性乳腺炎」と移行していきます。
(参照:https://www.zaiseido.co.jp/mimiyori/5387)
乳腺炎の原因
急性うっ滞性乳腺炎
母乳の通り道である乳管が十分に開いていない、赤ちゃんが母乳を飲む力が弱いなどの理由で乳汁が溜まりがちになります。
授乳中に痛みをともないますが、授乳をやめるとさらに乳汁がたまってより痛みが増すとされています。
急性化膿性乳腺炎
授乳中の赤ちゃんのかみ傷が乳頭にできたり、乳管にできた傷から細菌(連鎖球菌や黄色ブドウ球菌など)が感染して炎症が起こります。ほとんどの場合、急性うっ滞性乳腺炎が誘発原因になります。
乳腺炎の治療法
産院などで言われている治療法は下記の通りです。
急性うっ滞性乳腺炎
乳房に母乳をためないことがポイントになります。
軽度な場合は、バランスのいい食事と十分な休息、乳房を温めながらゆっくりとマッサージをしつつ授乳を続けていくと自然に回復することもあります。
こまめに授乳し、左右の乳房をまんべんなく飲ませるようにし、赤ちゃんが飲み切れずに余ったら搾乳するようにします。
急性化膿性乳腺炎
授乳をやめ、抗生物質や解熱鎮痛剤で細菌や痛み炎症を抑えるように治療を行います。
炎症が持続して重症化してしまった場合は、切開して膿を出す処置が必要なこともあります。
ここまで乳腺炎の概要をお伝えしてきましたが、早めの対処がとても大切です。
もし、乳房がパンパンに張ってしまっている、授乳時に痛みがある場合は乳腺炎の可能性がありますので早めに受診しお医者さんに相談しましょう。