【産後うつ】産後不調の鍼灸治療③

目次

東洋医学的に産後うつを考える

産後うつについてここまで現代医学的な視点でお伝えしてきましたが、東洋医学的な視点もお伝えしていきます。

産後は「気」「血」を消耗している

東洋医学では、私たちのカラダは「気」「血」「水」という3つの要素で成り立っていて、この3つがバランスよく体内を巡ることで健康を維持できると考えられています。

出産ではこの3つのうちの「気」「血」を大きく消耗すると言われています。

「気」は生きていくための肉体的・精神的なエネルギー。「血」は体内を流れる赤い液体=血液とその中の栄養と考えられています。

東洋医学では消耗している、つまり不足している状態を「虚(きょ)している」と表現をし「気」「血」が不足していることをそれぞれ「気虚(ききょ)」「血虚(けっきょ)」と言ったりします。

産後は「気虚」「血虚」になっているため、回復に努めることが大切です。産後1ヶ月前後は安静にというのは、東洋医学的には「気」「血」の補完を促すためということです。

産後うつと「気」「血」

出産で「気虚」「血虚」になるとどんな事が起こるでしょうか。

「気」というのは精神的なエネルギーと先述した通り、「気」が不足することで「元気が出ない」「気力がない」状態に陥いったり、「血」が不足すると「不安感」「不眠」という症状が出てきます。

また、体内の「気」「血」の絶対量が低下することにより「気」「血」の巡りが滞ってしまいます。

イメージとしては川の水。川の水量も多ければしっかり流れてキレイな水として維持できます。反対に川の水量が少ないと流れも滞って淀んだ水となります。

「気虚」「血虚」となることで川の水と同じような事が身体でも起きてしまい、「気」「血」の巡りが滞ります。

この滞りによって、「イライラしやすい」「抑うつ状態」といった症状も出て来ます。

「気虚」「血虚」と「滞り」によって引き起こされる精神状態は全て産後うつの症状にあてはまっており、いかに身体の巡りをよくすることが大切かが分かります。

鍼灸治療で「気」「血」を補う

東洋医学的な視点で、産後うつを改善する=「気虚」「血虚」を改善することだと分かりました。

鍼灸治療では、ツボの持つ特性を上手に活用して「気」「血」を補い、身体の巡りがよくなるように治療をしていきます。

「気」を補う特性があるツボの一例

足三里(あしさんり)、気海(きかい)、合谷(ごうこく)

「血」を補う特性があるツボの一例

三陰交(さんいんこう)、血海(けっかい)

ベーシックな治療頻度としては、1週間に1度の鍼灸治療を2ヶ月ほど続けるとお悩みの症状が軽減されることが多いのが、YI’N YANGでの鍼灸治療の傾向です。

 まずはお身体の状態を確認させていただき、どんな鍼灸治療の方法がフィットするかを治療経過をみながら施術者とご相談いただき、少しでも不具合なく生活できるようにみなさまを全力でサポートいたします。

来間 はる菜 著者:来間(YI’N YANG GINZA)

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