関節リウマチとは
関節リウマチとは、免疫に異常をきたし、自分の体を攻撃してしまう自己免疫疾患のひとつです。日本で約70万〜100万人の関節リウマチ患者がいると推定されており、女性は男性の約4倍発症する割合が多い病気です。一般的に『高齢者のかかる病気』というイメージが強いですが、実際は30〜50代の働き盛りに発症することが多く、20代で発症する場合もあります。また、以前は70歳以降に発症するケースは稀でしたが、ここ最近では高齢化が進む背景からか70歳以降、80〜90歳でも発症するケースも出てきています。
関節リウマチの症状
主な症状は、関節の痛み・腫れ・朝のこわばりなどです。
症状が出る場所は、手足の指、手首に出現することが多いですが、肘・肩・膝・足首などに出ることもあります。
進行すると関節の骨破壊から関節が変形していきます。
症状は左右対称に複数の関節に出る事が多いですが、片側のみの場合や少数の関節のみにしか出ないこともあります。
このように症状の出方は個人差があります。
関節リウマチの原因
関節リウマチの原因は今現在の研究では明確に分かっていません。
ただ、免疫系異常により引き起こされていると考えられています。
具体的には、自己免疫反応が過剰に起こってしまい体内の正常な組織を攻撃してしまいます。関節リウマチの場合は、その攻撃が特に関節に炎症として生じ腫れや痛みなどに繋がります。
また、遺伝的要因も関与している可能性も考えられています。
その他にも喫煙が関節リウマチの発症や進行のリスクを増加すると考えられています。
関節リウマチの検査・診断
関節リウマチの診断は少し複雑です。
検査として、血液検査・尿検査・X線検査が用いられます。
ただ、血液検査で陽性が出ただけでは関節リウマチと確定診断はつきません。
上記に挙げた検査の数値と症状などを含めて総合的に診断を行います。
最近では、より早期の診断を目指してアメリカリウマチ学会とヨーロッパリウマチ学会が共同で作成した分類基準(2010ACR/EULAR基準)を用いることが多くなってます。
関節リウマチの診断が少し複雑な背景としては、関節リウマチと似たような症状が出る疾患がいくつかあります。(膠原病・感染症など)しっかりと関節リウマチと区別するために総合的な診断が必要となるわけです。
(参照:https://www.ayumi-pharma.com/ja/healthcare/rheumatism/library/diagnosis/page3.html)
関節リウマチの鍼灸治療
関節リウマチの一般治療は、発症早期から関節リウマチにおける免疫異常を改善する薬を開始し、必要に応じて、炎症や痛みを軽減する薬を使用します。免疫異常を改善する薬は効果発現に1〜3ヵ月かかるため、副作用に気を付けながら継続することが重要です。薬物療法の過程で関節の変形、破壊が進行した場合には、人工関節置換術をはじめとした手術も選択肢の1つとしてあげられます。
今現在、関節リウマチの明確な原因は分かっていないものの薬の進歩により寛解となる患者の割合が以前に比べて増加しています。
関節リウマチにおける鍼灸治療は、鍼灸治療そのもので完治を目指すのではなく、上記の薬物治療と併用することでより効果的に治療を進めていきます。
1、痛みの緩和
鎮痛というのは鍼灸の得意とすることの1つです。鍼灸での刺激によりオピオイドやアデノシンなどの物質が放出されそれぞれの受容体に作用し痛みを緩和してくれます。
2、局所と全身症状へのアプローチ
関節リウマチは、関節に出現する腫れや痛みだけでなく全身症状も出ることもあります。
全身症状としては、貧血・微熱・だるさなどがあげられます。
鍼灸治療では局所はもちろん、全身の治療も行いますので全身症状へのアプローチもしていきます。
3、薬物療法の副作用の軽減
関節リウマチの主な治療は薬物療法ですが、人によっては副作用が出ることもあります。
副作用は口内炎、胃腸障害、肝障害などが見られます。
鍼灸治療によって、炎症を抑えたり、自律神経を整えることで内臓機能を向上させることが可能です。鍼灸治療と併用することによって薬物療法をスムーズに進めていく事ができます。
ベーシックな治療頻度としては、1週間に1度の鍼灸治療を2ヶ月ほど続けるとお悩みの症状が軽減されることが多いのが、YI’N YANGでの鍼灸治療の傾向です。
まずはお身体の状態を確認させていただき、どんな鍼灸治療の方法がフィットするかを治療経過をみながら施術者とご相談いただき、少しでも不具合なく生活できるようにみなさまを全力でサポートいたします。
著者:来間