逆子(骨盤位)でお悩みの方の参考になればと思い、患者さん(女性 / 30代)の鍼灸治療の症例や治療、改善の経過をご紹介します。
患者さんご自身で把握されていた症状
初診時妊娠34週目、第2子。妊婦検診にて逆子(骨盤位)と診断され逆子体操をするように指導される。逆子には鍼灸が良いと医師にアドバイスされ当院を受診。帝王切開はできるだけ避けたい。32週目ぐらいから胃が苦しくなってきたのでそのあたりで逆子になったのではないかと考えている。身体はあつい感じはするが足の冷えは感じる。
患者さんが認識していた原因
第1子の時より仕事が忙しく、身体が疲れているのが原因かも。足が冷えているのも良くないと認識している。
初診時の初見
お腹の張り、頚肩コリ、腰痛、足の冷え。
施術者が考えた原因
逆子(骨盤位)を鍼灸治療の観点から考えた場合に、冷えの治療が上手くいくと逆子が治ることが多いため、足の冷えの治療を中心にすえた。またお腹の張りがあり、腰も張っていて痛みがあるため、骨盤周辺の筋肉の血行不良はあるだろうと考えお腹と腰に温かくなるぐらいのお灸と刺激の少ない丁寧な鍼治療を行った。
通院頻度
基本は毎日しても良いが通院できる頻度が3日に一回のためできるだけ詰めて来院。次の検診が2週間後になるためそこまでにできるだけ治療回数が必要。毎日ご自身でもセルフケアとしてのお灸をしてもらうようにお灸を据えるツボとせんねん灸の据え方をアドバイス。
治療での変化
初診治療中に赤ちゃんが良く動いている。赤ちゃんがお腹の奥の方、背中側にいるのか、触診では頭の位置が確認できない。安産の治療と逆子のお灸、身体がリラックスするような治療を行った結果、施術後には足の冷えは自覚しなくなり足がポカポカしているとのこと。
治療の経過
3日に一回の鍼灸治療を行い2週間後の検診に備えた。2週間後の検診にて胎児の正常な位置である頭位になっていた。その後も自宅でのセルフケアのお灸は出産まで継続。約1ヶ月後、自然分娩にて出産、母子とも健康で産後の身体の回復のため月に一回は鍼灸治療を継続している。