こんにちは。中村です。
めっきり寒くなって「秋すっ飛ばして冬」な日々ですが体調はくずされていませんか?
今回は、コロナ後遺症について、そしてその中でも睡眠障害について綴っていきたいと思います!
なるべく分かりやすくお伝えできたらと思っていますが、もし分からないことがあれば治療院にいらした時にでもおたずねください!
まずはコロナ後遺症って??
COVID-19に罹患した後、感染性は消失したにもかかわらず、他に原因が明らかではなく、罹患してすぐの時期から持続する症状・回復した後に新たに出現する症状・症状が消失した後に再び生じる症状の全般をさしています。(厚生労働省HPより)
《代表的な症状》
疲労感・倦怠感、関節痛、咳、息切れ、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚・味覚障害、動悸、下痢、睡眠障害 など
局所的なものから全身的なものまで、個人差がとても大きく「コロナ後遺症」に対する確立した治療法はないとされています。
コロナ後遺症の神経や精神の領域では、倦怠感や頭に霧がかかるブレインフォグの頻度が高いのが特徴的です。(ブレインフォグを引き起こす病態としては、うつ病・睡眠障害・ADHD・依存症etc…)
そして睡眠障害
コロナ感染症による睡眠変化の中では不眠症が最も多く、睡眠障害の約80%を占めています。(※不眠症:その人の健康を維持する為に必要な睡眠時間が、量的あるいは質的に低下し、社会生活に支障をきたした自覚的にも悩んでいる状態のこと)
感染に関連する神経合併症を患った入院中の感染症患者のうち約66%が睡眠障害、疲労、うつ病、不安を抱えているとの報告もあります。
今回私が睡眠障害を取り上げようと思った理由として、コロナ後遺症を調べていく中で感染予防・感染後・長く続く後遺症全ての段階において睡眠の重要性を再認識した、という事。そして、それにも関わらず他の症状に比べ後回しにされがちだと感じたからです。
なんで睡眠が重要なの?
「睡眠は大事ですよ」「しっかり睡眠はとれていますか?」これ、よく聞く言葉ですね。睡眠をしっかりとることが大事だって事は、誰でも当たり前に知っている事だと思います。なぜ大事なのか。理由は色々とありますが、今回はコロナ感染症・後遺症における睡眠について書いていきますね。
私達のからだには、外から侵入してきた細菌やウイルスたちと戦う為の免疫システムというものがあります。
そして睡眠はその免疫システムを支える重要な役割を担っている為、睡眠不足が続くとサイトカイン(免疫細胞から分泌されるタンパク質)の産生・放出や、関連する細胞数の変動、とにかく敵をやっつけてくれるナチュラルキラー細胞の活性化の低下などが起こってきます。
睡眠時間とライノウイルス(風邪を引き起こす代表的なウイルス)の研究では、1週間の平均睡眠時間が6時間未満だった人は7時間以上睡眠をとっていた人に比べて風邪にかかる確立が4.2倍高く、5時間未満だった人は4.5倍高かったとのデータがあります。コロナ陽性者においても睡眠問題が中等度・重度の患者で死亡率がそれぞれ1.5倍、2.3倍高かったそうです。
また、感染後の臨床経過や転機に関しても睡眠は大きな影響を与えるとされています。
コロナでの睡眠障害はなんで起こるの?
COVID-19感染が直接的に睡眠障害を起こすメカニズムは、ウイルスが鼻粘膜や血液脳関門を通り、大脳皮質や脳幹、視床下部に入り込む可能性や、サイトカインストームを発生させて免疫学的な影響を脳に与える可能性などが示唆されています。(なんてちょっと難しそうな事を書いてみましたが)
二次的な睡眠障害に繋がるものとして、咳・熱・呼吸困難・痛みなどの身体症状や、罹患に伴う不安・環境変化などがあります。
感染が睡眠障害を引き起こし、また睡眠障害が感染リスクや臨床経過に影響を与えているのがわかりますよね。
感染症を防ぐ為、免疫系を強化するためには睡眠障害の治療は不可欠です。
じゃあ鍼灸はどう関われるの?
はい。突然東洋医学的なことを引っ張り出してきますが、不眠症の根本的な病因は陰と陽のアンバランスであるという見解があります。主には「心」に問題があり「肝」「腎」「脾」などとの調整ができなくなっている状態です。
難しい話は省きますが、鍼灸ではそのバランスを整えるような治療をします。特に不眠症には腹部と頭部への施術を有効としているものも多く、穏やかなお灸は軽度〜中等度のコロナ症状に有効であるとの研究もありました。
病院に行ってもなかなかよくならない。出せる薬はもうないと言われた。
後遺症の治療、また予防に、鍼灸治療を選択肢の一つとして考えていただけたらなぁと思います!