著者:来間
『生理痛』『月経痛』と聞いて、無ければどんなに楽か!と思った方、少なくないと思います。
鍼灸師という立場から見ても『生理痛』、『月経痛』はよく相談される症状の1つです。
また、生理に伴う不調として『腹痛』だけでなく、『頭痛』、『吐き気』、『イライラ』など多岐に渡り、毎月生理が来るのが憂鬱だと言うお声をよく聞きます。
この、『生理痛』や不調が少しでも和らげばちょっとハッピーに過ごせそうですよね。
そんな時に少しお手伝いできるのツールの1つとして鍼灸があります。
生理・月経の仕組み
そもそも定期的にやってくる生理ですが、なぜ生理がやってくるのか。
簡単に言うと、「女性のカラダは常に出産する準備をしているから!」
排卵して、受精卵になったら、子宮内膜に着床し、妊娠を維持していくのですが、
この子宮内膜、受精卵が着床しなかったらお役御免ということで体外に出ていきます。
これが生理です!
生理直後は子宮内膜は薄いですが、排卵に向かって子宮内膜が厚くなっていきます。使わなかったら(着床しなかったら)排出する。これの繰り返しです。
生理は言わば、プチ出産!
女性のカラダは常に新しい命を授かる準備を粛々としているのだなと思うと、
大仕事をやってるな!私のカラダえらい!ってなりますよね。笑
こんな大仕事をカラダの中でせっせとやっているので、ちょっと無理をすれば何かしら不調が出てくることはなんとなく想像つくと思います。
それがいわゆる、『生理痛』『月経痛』です。
余談ですが、生理のことを月経とも呼ぶのはなぜかご存知ですか?
古来からカラダのリズムと月の満ち欠けは結びついていると考えられています。
月の満ち欠けはおおよそ28日で生理も通常約28日です。
『月経』と呼ばれる理由はお月さんから来てたんです!
東洋医学の考え方で、人と自然は一体という考えがありますが、まさにその通りですね。
生理痛・月経痛ってなんで起きるの?
生理痛・月経痛などこの世から消えてしまえばいい。きっとほとんどの女性の声でしょう笑
でも、これってとても大切なカラダの声なんです。
カラダはとても優秀で、
ちょっとカラダにとって無理してませんか?ココロに負荷かけすぎてませんか?
そういう黄色信号を痛みなどの症状や不調として私たち自身に投げかけてくれます。
生理痛・月経痛もその1つです。
生理痛が起こる大きな原因として冷えがあげられます。
イメージして欲しいのですが、雑巾を絞るときに手がぽかぽかの状態と手がかじかんでいる冷え冷えの状態で絞るのとではどちらが絞りやすですか?
もちろん、前者ですよね!
真冬の冷たい水で雑巾絞ったら手が真っ赤になって痛くなったりしますし
冷え冷えの手はうまく動かなかったりします。
子宮も同じです。
子宮が温かい状態と冷たい状態では、温かい方が子宮の収縮がスムーズです。
生理は、子宮が収縮することで子宮内膜を排出していきますので温かい方がスムーズに排血できるということです。
子宮が冷えていると、スムーズに収縮できないので子宮はもっとちゃんと収縮しなくちゃ!ということでプロスタグランジンという子宮の収縮を促す物質をさらに分泌します。
ですが、このプロスタグランジン子宮収縮を促すと同時に痛み発痛物質でもあります。
つまり、分泌されればされるほど痛みを感じる!ということです。
冷えおそるベし!
生理痛・月経痛のひどい時の対処
生理痛・月経痛に冷えが大きく関わっているという事が分かったと思います。
なので、生理痛・月経痛を感じた時に1番にして欲しいのは『温めること』
オススメは、ホッカイロを仙骨あたりと下腹部に貼って子宮を前後から温めると良いです。また、生理中は前述したように子宮が大仕事中なので可能な限りゆったり過ごすこと。軽い生理痛・月経痛であればこれで和らいでくれます。
温めてみてもしんどい!ゆっくり休めない!という時は、痛み止めに頼るのも選択肢の1つだと思います。
上記は生理痛・月経痛になったその時の話ですが、
生活習慣をちょっと見直すことで生理痛・月経痛を和らげることが出来ます。
普段から冷えないカラダづくりをしていくことが大切です。
- 良質な睡眠を取る(22時~2時は寝ていることがベスト)
- 適度な運動
- ストレスを溜めない
- 甘いもの(砂糖)を取りすぎない
- カフェインを取りすぎない(コーヒー、エナジードリンク、緑茶etc..)
- バランスの取れた食事 食べ過ぎも食べなさすぎもダメ
- 湯船に浸かる
- 締め付けのきつい服はさける
などなど、、急に全部は難しいかもしれませんが出来ることからトライしてみてください。
日々の積み重ねが、少しずつカラダを変えていき生理痛・月経痛を緩和してくれます。
また、鍼灸は冷えないカラダづくりのサポートもしてくれます。
鍼灸と生理痛・月経痛
生理痛・月経痛の緩和のお助けになるのが鍼灸です。
鍼灸は痛みの治療を得意としているので、生理痛・月経痛の痛みそのものに対しても治療可能です。
よく、「生理中に鍼灸受けていいですか?」とご相談いただきますがもちろん、答えは「Yes!」
生理中に鍼灸を受ける機会があり、生理痛・月経痛があるようでしたら担当の鍼灸師に相談してみてください。
また、前述しましたが生理痛・月経痛の痛みに対する鍼灸だけでなくカラダづくりのサポートとしても鍼灸は活躍してくれます。
例えば、生活習慣の見直しということで『良質な睡眠』『ストレスを溜めない』とあげましたが「睡眠取りたくてもうまく寝付けない」「ストレス溜めないなんて無理!」と思われたかた多くいらっしゃるでしょう。
どちらも自律神経に関わってくるところです。自律神経は交感神経と副交感神経のバランスが大切と言われてますが、現代人は交感神経が優位になっている方が多いと言われています。
ストレスが過多になると、交感神経優位になってカラダは常にスイッチオンモード!
寝る時は本来は、副交感神経優位のスイッチオフモードのはずなのにオンモードになってしまっていればうまくいく寝付けないはずですよね。
ここで活躍してくれるのが鍼灸です!なんと、鍼灸は自律神経のバランスを整えるのも得意としてます。なので、鍼灸を受けた日はスッと眠れたとか、受けた直後から眠そうにしてる方もいらっしゃいます。
また、ストレスそのものを無くすことは難しいですがストレスによって出たカラダの症状をとることでカラダがスッキリし、ココロも軽くなることもあります。
これは、東洋医学の『心身一如』(心とカラダは繋がっている)という考えそのものですね。
お忙しい人にこそ鍼灸はおすすめです。
生活習慣の見直しと共に定期的なメンテナンスとして鍼灸を取り入れることで生理痛・月経痛を緩和し生理中でもハッピーに過ごしてみてはいかがでしょうか。