胸の違和感・痛みに関する鍼灸治療の効果
コロナ後遺症の症状のなかに「胸の違和感・痛み」があります。一番多いのは倦怠感ですが、胃酸や食べ物などの胃の内容物が食道に逆流することによって起こる逆流性食道炎とともに胸の違和感・痛みもコロナ後遺症の症状のひとつとされています。
胸の違和感・痛みはコロナ後遺症に限らず鍼灸治療が有効です。
【Systematic Evaluation of Acupuncture and Combined Therapies for Treating Reflux Esophagitis.】
(鍼治療と他療法の併用による逆流性食道炎の系統的評価)
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202002248902364790
この論文はメタアナリシスという研究の方法で、複数の研究結果を統合し、それらを評価したり解析したりするという、研究の中でも最も精度の高い研究手法といわれる価値の高い論文です。この論文の中で、鍼灸治療は逆流性食道炎の再発率を下げるのに、鍼灸治療単独か、或いは鍼灸治療と漢方薬治療の併用は西洋薬より優れているとされています。まだまだ症例数や研究の数が多くはないので確定的ではなく今後の研究が待たれる、と結んでいますが、逆流性食道炎に対する鍼灸治療の有効性は、今まである論文の中では有効であり、評価できるとしています。逆流性食道炎は胸の違和感や痛みなどの、胸部の不快感を伴うことも多く、胸やけの原因のひとつとされています。それらに対して有効であるということは、単純に胸の違和感や胸の痛みにも有効な場合がある事を示唆しています。
【内臓痛・消化器機能・消化器症状に関する鍼灸の効果】
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1981/51/4/51_4_466/_pdf
こちらは総説として、今まで研究されてきた内臓の痛みや消化器系の機能や症状に対する鍼灸治療の研究を総括し、分かっている事や予測として考えられることをまとめています。
そのなかで、特に吐き気 や嘔吐に対する検討が数多くなされており、その成果の一部はNIH(米国国立衛生研究所)による「鍼に関する合意声明」でも取り上げられ、鍼の効果として世界で認められた、としています。また胃炎などの原因とされる胃酸の過剰分泌に対する鍼灸治療の効果は、胃酸分泌を低下させるという結果が現状では支持されており、 胃潰瘍などの疾患に対して対症療法として鍼灸治療を推奨することは妥当である、としています。また手術が必要でない、腹痛を含む内臓痛に関して鍼灸治療を行うと概ね70%ほど内臓痛が軽減する可能性が示されたと報告しています。
ベーシックな治療頻度としては、1週間に1度の鍼灸治療を2ヶ月ほど続けるとコロナ後遺症の症状が軽減されることが多いのが、YI’N YANGでのコロナ後遺症に対する鍼灸治療の傾向です。
まずはお身体の状態を確認させていただき、どんな鍼灸治療の方法がフィットするかを治療経過をみながら施術者とご相談いただき、少しでも不具合なく生活できるようにみなさまを全力でサポートいたします。
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