肩こりは、明確な原因の特定できない肩こり(筋肉やストレスなど問題)と他の身体疾患に起因する肩こりに分類されます。
原因が特定できない、とは「画像などの検査所見に異常のないもの」であり、多くの人が経験するいわゆる肩こりです。
今回は、この中でも『筋肉』の問題について掘り下げてみたいと思います。
肩こりでいう「肩」とはどこ
ところで、肩こりでいう「肩」とはどこをさすのでしょうか?
じつは、これもはっきりとした部位は定められていません。
整形外科医への「肩こりの必須部位は?」というアンケートでは、後頸部~肩甲上部~肩甲間部を肩こりで言う「肩」とみるのが一般的との結果が得られています。
この部位に存在する代表的な筋肉としては、
①頭半棘筋(とうはんきょくきん):後頭部にある筋
②板状筋(ばんじょうきん):頸椎~後頭骨にある筋
③僧帽筋(そうぼうきん):肩こりに最も関連のある筋
④肩甲挙筋(けんこうきょきん):肩甲骨を上に持ち上げる筋
⑤大菱形筋・小菱形筋(だいりょうけいきん・しょうりょうけいきん):肩甲骨の間の筋
などがあげられます。
ヒトは4㎏以上の頭部と上肢を支えているため、これらの筋には常に負荷が加わっているのです。
さらに、同一姿勢の持続、姿勢不良、寒冷、ストレスなどの刺激が加わることで、筋肉の虚血あるいは疲労物質が蓄積した状態になってしまい肩こりが生じます。
鍼灸治療は、狙った組織をピンポイントで治療できるのも特徴のひとつです。
また、鍼の刺激によって筋肉の血流が増加することも研究で明らかにされています。鍼治療は肩こりを生じる筋の血流量を増加させることで、症状の改善を期待することができます。