同じ症状でお悩みの方の参考になればと思い、手足の倦怠感、イライラ、首肩コリ、不眠症でお悩みだった患者さんの鍼灸治療の症例や改善の経過をご紹介します。
患者さんの性別:男性
ご自身で把握されていた症状
①手足の倦怠感 ②イライラ ③首肩コリ ④不眠症
去年の秋ごろに倦怠感を感じ始め、10月にはイライラすることが多くなっていた。12月に高熱が出たのをきっかけに不眠症の症状が加わり、それ以外の症状も悪化した。
漢方の処方によりイライラと首肩コリは少し治まってきている状態。1番辛い症状の倦怠感が変わらないため来院。
両腕と両足に倦怠感が強い、前面部が特に辛い。だるさがあるため、力を入れづらく握手も弱弱しく握れる程度。1日での変化はなく自宅で1日安静にしていることが多い。
些細なことで苛立つことが増え怒りっぽくなったと感じている。漢方:柴胡加竜骨牡蛎湯と桂枝茯苓丸の処方で少し治まり、同時に首肩の凝りもピークよりはマシになっている。
睡眠は普段10時間だったのが6時間になっているため不眠とのこと。
食欲は問題なく食べている。
便は下痢、便秘を繰り返している
鍼灸治療の来院回数や頻度
週に1回の頻度で計11回の治療で終了とした。
診察によってわかったこと
身体所見:痩せ気味 肌のキメが少し荒く乾燥 頭頂部に熱感(+)
頚部、肩上部の筋緊張(+) 手足冷え(+)下半身にじとっとした汗
腹直筋の緊張(+)くすぐったがる場所多い 季肋部圧痛(-)天枢の硬結圧痛
患者側としては漢方の処方により症状の軽減を感じたことで、栄養のある食べ物やサプリを増やすことで軽減していくのではと考えていた。色々と試そうとしている段階で鍼灸の選択があった様子。
鍼灸治療の方針
見立てとして、全体は上実下虚の状態にあり、手足の倦怠感は脾気虚によるエネルギー不足、鼠経部や胸回りの通りを良くし四肢に流れやすくすることをメインに施術を行う。
また、ご指導として、早寝早起きを意識してもらい、日光を浴びることを日課にしてもらった。
鍼灸治療の効果、経過
2診目:倦怠感は、前腕部と下肢前面。メンタルは安定し落ち着いている。
7診目:だるさより力の入れずらさのほうが気になるように 運動強度を高めてもらい
疲労しすぎない程度に筋肉を使用してもらうように。外に出る気力がなければ、ラジオ体操や足踏みなど。施術の頻度を2週に1回に変更。
10診目:だるさを感じない日が増えてきたことで散歩をする時間ができたりしている。大腿部のだるさはやや感じる。
11診目:全体に調子がよく、大腿部の違和感はあるがピーク時よりかなり良い状態。
日常的に問題なく過ごせるようなので施術は終了とした。
著者:高原