鍼灸治療の症例紹介:コロナウィルス罹患後の逆流性食道炎

コロナウィルス罹患後の逆流性食道炎でお悩みの方の参考になればと思い、逆流性食道炎でお悩みだった患者さん(女性 / 50代)の鍼灸治療の症例や改善の経過をご紹介します。

この記事を書いた人

高原 高原 (表参道外苑前院 院長)

鍼灸治療で得意な症状

消化器系、慢性疲労、整形外科疾患、婦人科系疾患

目次

ご自身で把握されていた症状

主訴:胸のむかつき 頻回のゲップ

X年9月に新型コロナウィルスに罹患、発熱はあったが2、3日で回復。その後1週間ほど経ちふと水を飲んだ所吐き気、胸のムカムカが起き嘔吐。

その後、みぞおち辺りに胃液が上下してムカムカ、焼ける様な感覚があり、仕事中ゲップやしゃっくりがよく出るようになった。内科で胃の薬を処方され、様子見をみることに。

X−1年に逆流性食道炎の既往有り。胃カメラで検査、炎症があり荒れていた。

X−1年夏に新型コロナ罹患。その時の後遺症は軽い脱毛。

現在、食欲はあるが胃が受け付けないため少量のスープ等を飲んでいる。

嘔吐は発症時の1回のみで胸の辺りがムカムカしている。

初診時の初見

身体所見:鳩尾の圧痛、緊張(+) 下腹部の硬結圧痛

頸部、肩上部のコリ 呼吸が浅い 

初診:胃の気の上逆、上がってくるのを抑える事を第一優先に。身体全体、特に上半身の緊張を緩める施術を行い、お灸でのケア(内関、公孫)をお家で次回来院時まで毎日してもらうようお願い。

終了後、ムカムカはおさまっているがゲップ出る。

治療の経過

2診目:初診から2日後、仕事も出来て、おにぎりを2つほど食べれた。ムカムカする感じは無く、ゲップの頻度は落ち着き、ガスがでる。

同様の施術を行う。

3診目:1週間後の来院。ムカムカ感が少しだけゲップの頻度減少。肩、背中の張りが気になる。

胃カメラで検査した所、炎症も無く昨年より綺麗。

4診目:起床時に喉が辛い感じ 仕事中お腹が張るがガスを出すとスッキリする。

初期の状態は胃気の上逆を抑える事を優先し

経過を追うごとに肝気による上に向かうベクトルが胃気へ煽りがあると考え

肝に対するアプローチも増やし、

来院の間隔を空けていけるように身体の調整を行なっていく。

著者:高原

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